ネットショップ運営をしていると「PDCAを回せ!」っと言われますよね。
でもどうすればPDCAを回せるのか悩みませんか?
PDCAサイクルとは「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」のサイクルを目標達成のために回し続ける方法になります。
PDCAサイクルは売上を安定してあげるために企業経営や店舗運営などで幅広く利用されています。
PDCAサイクルの事を「聞いた事あるし知っているけど使い方が分からない」、そんな方に向けてネットショップでPDCAを使う具体的な方法や事例と併せて解説していきます。
PDCAサイクルとは?
PDCAとはPlan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)を繰り返す事で現状のサービスをより良い物に仕上げていこうと言うサイクルの事です。
主に日本の品質管理システムなどで使われていたのですが、企業経営や店舗運営などでも利用されるようになりました。
まずは、PDCAのそれぞれの役割について詳細に説明します。
Plan(計画)
PDCAのP(Plan)とは、達成すべきゴールを設定し、ゴールまでの計画を作成する段階です。
例えば、月商100万円をゴールにしてみましょう。
月商100万円に必要なアクセス・転換率・客単価はいくらになるでしょう?
平均客単価が6,000円とした場合、[1,000,000÷6,000=166]で月に166個の販売が必要になります。
転換率が3%とするなら[166×3%=5533]になるのでアクセス数は月5,533人必要と言う事になります。
では5,533人を一月で集めるために「この日は広告を使ってみよう」「この日はセールをしてみよう」などの計画が出来てきます。
逆算して出来た計画書がPlanのPの段階です。
Do(実行)
PDCAのD(Do)とは、Planで作った計画を実際に実行してみる段階です。
実際に実行してみてどうだったのか?
実行した事はしっかりとメモをとっておきましょう。
計画書の中に分かりやすくカレンダーなんかを作っておくと後で見直す時に役立ちます。
- 「広告を試してみた事でアクセスが+20%上がった」
- 「セールをした事で転換率が上がった」
- 「アップセルで客単価が上がった」
このようにメモを取っておくで、次の評価部分で見直し問題点を洗い出す事が出来ます。
Check(評価)
PDCAのC(Check)とは、Doで実行してメモを取った事を参考にしながら評価をする段階です。
この時にPlanで作った計画と比較して予想や実績、問題点を見つけます。
- 「広告でアクセスは上がったが転換率が下がった」
- 「セールで転換率は上がったが客単価が下がった」
- 「クロスセルで客単価は上がったがアクセスの伸びが悪かった」
などのように実際の結果を評価する事で次の改善に繋げます。
Action(改善)
PDCAのA(Action)とは、Checkで出した問題点の改善策を出していきます。
- アクセス数が増えていないのでキーワードやサムネイルを見直す
- 転換率が下がったので商品ページを見直す
- 客単価が下がったので値段や一緒に買ってもらう商品を見直す
本来であればもっと細かく評価する事で根本的な問題点を見つけたりできるのですが、今回はサンプル例ですので思い当たる簡単な物をあげています。
改善案が出来れば来月の計画書を作成します。
注意点として、PDCAサイクルは改善して終わりではありません。
Actionが終わったのであれば改善されたPが生まれ、その計画書を元に再びDo、Checkと繰り返し計画書をどんどんグレードアップしていきます。
PDCAサイクルはただ回すのではなく、螺旋階段のように上り詰める施策になります。
PDCAサイクルの具体例
私がPDCAを使う実体験を具体例として出します。
今回は例として入り口商品の売上目標でPDCAを回してみます。
入り口商品を作る時、まずは商品のページを作ります。
そしてこの商品を一月でどのくらい売るのか?
例として月100個を目標にしましょう。
転換率は1.5%と想定します。
するとアクセス数が6,666人必要だとわかります。
最初の時点ではデータが出そろっていないので商品登録して2~3か月ほどはデータを貯めても良いと思います。
データが無い場合には仮定を設定します。
今回は月アクセス3,000人、転換率1%としておきます。
ざっと思いつくのはイベント・広告・メルマガ・ブログ・SNS集客辺りですかね~。
ブログやSNSは育成が出来ていれば集客に使えますが、ほとんどの店舗さんはこの辺そこまで強くないのでは?
って事で簡単なのはイベント・広告・メルマガ辺りですね。
5日・15日・25日にはセールします。
セール手前には広告を出します。
セール前日にはメルマガを送ります。
実行してみてアクセスと転換率をメモします。
月末にはメモをみながら評価と改善ですね。
アクセスが少なかった原因を探るのに広告からの集客レポートやメルマガの反応見て次の施策を考えたりします。
広告やメルマガのレポートも単体では役に立たないので過去データとの比較が必要です。
効果のあったバナーやメルマガタイトルなんかのデータを集める事でより質の高い物が完成します。
私の場合はこのように月単位でPDCAを回して次の施策などを決めています。
最初は難しいと感じる事もありますが、半年も繰り返し過去のデータが溜まってくると自分が思った以上にPDCAをうまく回せるようになってきます。
PDCAはツールなので触れた回数が単純にうまく回せるコツなのではないかな?っと思っています。
PDCAサイクルのメリット
PDCAのメリットは「Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)」のサイクルをマニュアル化出来る事にあります。
PDCAはフレームワーク(テンプレート)なので誰がやってもそこそこの成果が出るように作られています。
慣れなどで精度に差こそある物の、初心者でもある程度の計画書が作れるというのは非常に大きなメリットではないでしょうか?
業務の効率化・人件費の削減など目には見えない効率性がPDCAにはあるのです。
PDCAサイクルのデメリット
PDCAのデメリットはスピードが遅い点にあります。
特に最近のWEB系、IT業界ではスピードが命と言われておりPDCAのスピード感が遅く感じるようです。
ゴールから逆算して計画書を最初から作ると言う手間はPDCAのデメリットになります。
PDCAサイクルが失敗する原因
PDCAはどういう時に失敗するのでしょうか?
失敗する原因について説明します。
- Plan(計画)の失敗
- Do(実行)の失敗
- Check(評価)の失敗
- Action(改善)の失敗
計画の失敗
- ゴールまでの計画が書けていない。
- 現状と計画が離れすぎている。
PDCAは仮説と検証によって改善する施策の事です。
最初から計画が破綻していたり、現実的に実現できないような目標を立てた場合には評価も改善も役に立たず何も得られないサイクルが出来てしまいます。
計画で大事なのは、ゴールに到着するまでに道のりが計画書を見てイメージ出来る事です。
あまり突拍子もない目標をゴールにせず、現状から達成できそうなゴールを設定してみてください。
実行の失敗
- 計画を実行していない。
- 計画にない事をしている。
- 中途半端に終わらせている。
実行の失敗で多いのは計画性の無い実行、そして実行自体が中途半端で終わっている点です。
計画を実行していないのは問題外ですが、思いつきの計画を実行するとその後の計画もガタガタになります。
例えば、大阪から東京に向かっている新幹線の中、愛知県を通過した辺りで急に「そうだ!福岡に先にいこう!」って言って逆走しているような物です。
スケジュールめちゃくちゃになると思いませんか?
新しく思いついた施策は無計画に試さず来月にまわして、今月は今月のDo(実行)をちゃんと行いメモを取っていく事に専念する事でPDCAがスムーズに回ります。
評価の失敗
- チェックが甘い
- 具体性が無い
- 曖昧である
評価で失敗するパターンは、「評価基準が曖昧」の1点につきます。
評価する人間が毎月コロコロ変わったり、適当にチェックしたり、評価をなんとなくで終わらせてしまうと改善案が出せずにサイクルが止まってしまいます。
評価は最も軽視されやすい部分ですので、厳しい目でしっかりとチェックしてみてください。
改善の失敗
- 改善方法が間違っている。
- 評価を参考にしていない。
評価をしっかりと行えていれば改善を失敗する可能性は低くなります。
もし改善が失敗するとすれば、そもそも改善方法自体が間違っているパターンです。
例えば、客単価を上げるため高い物を売ろうと高い商品ばかり見直している。
売れれば客単価は上がりますが、そもそもの商品ページ対するアクセス数が少ないと思うので「よく売れている商品と一緒に買ってもらえそうな商品を売る」方が客単価UPとしては現実的です。
悪くはないと思いますが、効率を考えると優先順位は低いのではないか?っと思います。
PDCAサイクルをうまく回すには?
PDCAをうまく回すためのポイントは4つです。
ゴールは具体的にイメージ出来る物にする
曖昧な計画や現実的ではないゴール設定は失敗の元です。
具体的に数字なども使いしっかりとゴールまでの道筋がイメージ出来る物を作ってみてください。
「売上を上げる!」っと言うゴールよりも「来月の売上を100万円にする!」っと具体的な数字を設定した方がより完成度の高い計画書になります。
具体的なゴールがあれば、「いつ?だれが?どこで?どのように?なにを?なぜ?」行うかイメージしやすくなります。
現状をしっかり分析して現実的な計画を立ててみてください。
実行した結果をメモする
実行した事をメモに取るのは評価する時に非常に役に立ちます。
ただ実行しただけで終わってしまっては「次はどうするのか?」と言う次に生かすための施策が取れなくなってしまいます。
実行の段階はメモですので起こった事をありのまま書くようにしてみてください。
メモをする時にも具体的に、数字で表せる時には数字を使って後から見直した時に分かるようにする事が重要です。
第三者目線で評価する
評価をする場合、出来れば違う人に依頼して厳しく見てもらう事を推奨します。
自分で評価してしまうと、「これだけやったから」「がんばったから」「これは無理だったから」などの甘えや思い込みなどで正しく評価できなくなります。
とは言え、中小企業のネットショップや個人のネットショップの場合ですと1人で運営されている場合も多いでしょう。
そんな時には第三者目線から厳しく評価するようにします。
評価自体を甘くしてしまうと次の改善案を出す時にも甘えが出てしまい質の良い計画書が作れなくなってしまいます。
評価を元に改善する
厳しく評価できていれば改善案を出すだけです。
「広告を使ったのにアクセスが上がらない」と言うメモに対して、「そもそも検索結果で上位取っているので効果が薄いのではないか?」っと言う評価があったのであれば広告自体があまり向いていない商品の可能性が高いですよね?
そういった場合であれば外部流入を使ったり、違うキーワードを探してみたり、別のアプローチ方法を改善案として上げるべきです。
改善する時には色眼鏡や思い込みを持たずに柔軟な発想と視点から見る事により、大きな効果を発揮します。
まとめ
PDCAはPlan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)のサイクルを螺旋階段のように回りながら引き上げていく施策になります。
実際に「無印良品」ではPDCAを使って業務改善しています。
計画に時間をかけすぎてしまうとせっかくのチャンスを失ってしまったりするのでPDCAは計画は素早く、評価は丁寧に行う事が重要です。